外科

治療方法

食道裂孔ヘルニア

食道裂孔ヘルニアは胃が横隔膜を越えて、縦隔内に脱出する病気です。滑脱型(I型)では胃が直線的に脱出しており、逆流性食道炎の原因となっています。一方、胃の別の部分が脱出した傍食道型(I I型)は小さな場合ほとんど症状がありうません。I型とI I 型が合併するものはI I I型ヘルニアと呼ばれ、大きなものが多く、また胃が軸捻転し緊急処置を要する胃穿孔等をきたしますので、基本的には手術適応となります。本邦ではI型ヘルニアの逆流性食道炎は薬物療法が行われることが多いのですが、欧米では盛んに外科治療が行われています。当院では主にI I I型ヘルニアを扱っており、これまで全例腹腔鏡で手術を施行しています。

胃がん

胃がんはその進行度により治療法が異なります。がんが粘膜にとどまり、かつがん細胞の悪性度が高くなければ、内視鏡切除のみでがんは完治します。がんが進行してくるとリンパ節転移や遠隔転移(肝臓などへの転移)がみられるようになります。当院では術前リンパ節転移がないと思われる症例では腹腔鏡手術、リンパ節転移がありそうな症例では開腹手術を選択します。また、手術により一気に切除できないほど進行したがんでは、化学療法を先行させ、ステージを落としてから手術に臨む場合もあります。

大腸がん

食事の欧米化に伴い、日本人にも大腸がんが増加しています。結腸・直腸でもγがんが粘膜に止まっていれば、内視鏡的治療が可能です。内視鏡治療後でも、がんが粘膜下層に進展していることが判明すると手術が必要となる場合があります。がんが筋層まで進行していると手術治療が必要となります。当院では腹腔鏡手術を基本とし、特に盲腸・上行結腸がんでは単孔式手術を積極的に施行しています。術前の進行度が高い場合などでは化学療法を先行させることもあります。

鼠径ヘルニア(脱腸)

鼠径ヘルニアもよくみられる疾患で、鼠径部(足の付け根の近く)が膨れて痛みを伴うようになります。治療は基本的に手術が必要です。手術法は鼠径部の皮膚を切開して手術を行う前方アプローチと、腹腔内から腹腔鏡を用いて治すTAPP法があります。治療に際しては両方説明いたしますが、判定側にもヘルニアがありそうな場合や、大きな内側型ヘルニアでは、腹腔鏡手術をおすすめしています。